ご家族が長く使ってこられた椅子、小箪笥、飾り台の三点を、まとめてお預かりしました。
椅子は、座面の編みが擦り切れ、脚の接合部が緩んでいました。小箪笥は引き出しの底が割れ、飾り台は天板の塗装が白く濁っていました。どれも、買い替えを考えておられたそうです。三点とも同じご家族の暮らしの中で使われてきた家具なので、揃った雰囲気を保つことを大事にしました。
写真はお預かりした日の状態です。
傷みの様子から確かめます。
座面の編みを外して、
枠を調べます。
座面は、古い編みを外して新しい編みに替えました。脚の接合部は一度ばらし、古い接着剤を落としてから、膠で組み直しています。背もたれの小さな割れには、同じ木の薄片を埋めました。元の形は変えず、座り心地だけを取り戻すことを目指しました。
小箪笥は、引き出しの底板を新しくし、レールの擦れも直しました。
天板の濁った塗装を落とし、素地を整えてから、シェラックで仕上げました。縁の欠けも、同じ木目の木で埋めて、
色合わせをしています。つやは出しすぎず、元の落ち着きに近づけました。三点が並んだとき、違和感がないように調整しています。
飾り台は、元の玄関に戻されたそうです。お引渡しのとき、
ご家族が「また使えます」と言ってくださったのが、いちばん嬉しかったです。